けせらせら

なるようになる?

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年上が好きなの
職業とかは、まああんまり気にしないけど
安定して暮らせるならそれでいいかなあ
そう言いながら居酒屋のカウンター席でグラスの底を傾けながら眺める君
君の奢りでハイボールを飲む年下の僕
照明が薄暗くても隣から見る君の頬がうすら赤くなっているのはわかる
僕は何も言うことができなかった
ポケットからスマホを取り出して時間を確認するものの、目の前に掛け時計があることはこの席に座った時から知っていた
僕は結婚したいと思っていた
いつの日かフロアが埋まるようになって
バイトもやめて毎年全国を回って
いずれは君以外のことも曲にして
あの番組にだって出れるかもしれない
少し時間はかかるけど、時間ならある
そしたら君に言おうって思ってた
君が何か言いかけてやめたのを紛らわすように僕が席を離れたとき、正面右奥のトイレの鏡
赤くなっていたのは僕の方だったんだ