けせらせら

なるようになる?

ダンデライオン

この日は平日で、仕事終わりに席を用意していてくれた友達に迎えられると、明日は私の誕生日なのだと気づいた。学生の頃の話や次の連休の旅行の計画で盛り上がったのだけど、明日も早いから、と駅の改札まで見送られながら帰宅。こうして0時を過ぎて久しぶりに1人で迎えた誕生日は何故だか嫌に思えなかったし、むしろそれが私には心地よかった。彼女達がくれた小箱のショートケーキが帰りに買ったスーパードライのつまみにぴったりだった。私はもう自由なのだ。言ってしまえば私は彼の奴隷だったのだ。彼と別れたのはつい最近のはずなのにずいぶん遠い記憶になってしまっている。思い出せるとすれば、いつものように静かに苛立つ彼がもう嫌になって、顔も向けずに路肩のタンポポを見つめながら別れを切り出したときのことくらい。明かりを消した部屋で最後のロウソクの一本を吹き消したとき、心までも熱が冷める音がした。青春は静粛して成熟。少女から大人へ。火を灯したのも、吹き消したのも、他の誰でもなく自分がしたんだ。

花言葉は別離。ほんともう、笑っちゃうよね。

電話相談とは名ばかりで暇な馬鹿達が入れてくるクレームの相手をするのが私の今の仕事 たらたらと老人の世間話の相手をしているとそんな日は余計に定時の17時が遠くに感じる 昔あなたと夜中に電話していたときのように気づいたら5時になっていた、なんてことがあればいいのにと、受話器の向こうからあなたの声が聞こえて来はしないかだろうか、むしろ私の方から電話を掛けたいと思うくらいです こうして時間が過ぎるのが遅ければいつまでも若くいれるかな あのとき私から電話を切らなければあなたはずっと繋いでいてくれたかな 今になって昔聞いたあなたの声が聞きたくなった

粋る

信号待ちの人生 今は黄、そして点滅 昨日の些細を記録することはもう無い 被写体は自身なのだ 何も羞恥をエゴティズムで覆うことはないじゃないか 肯定してくれる他者が今になっても居るとするのなら、此処でさえユートピアに感じる 選択肢は?清算は?将来性は? 何も一人で決めなくてもよいのだ 何も死ぬわけじゃないのだ 何はともあれあっぱれ今日が過去一最低な日なら明日は今日より確実に良い日だ ピャー

そういうことなんだと思っていたよ

師走 早朝 霜焼けも忘れる 胃に寒さが沁みそう 嘘とか冗談とかジョークとか 餌を与える 気持ち半分 傷ついたフリをしてるよね どれが本当か誰が本物か 自分で自分がわかってない 電話も久しぶり あと2回 どうせ どうせ どうせ 信じてほしいなんて傲慢だ 些細なこと 価値観 気になる 何が欲しい?クリスマス 何でもあげるし 何だってしてあげる したい? それってまあ お約束 天秤で計る愛の重さ そもそものこと 愛なんて大それたもんじゃないし 理由を述べよ 正直に答えよ 言えよ ダメ 制限時間 また意地悪 だから針万本だよ 本当はどう? 嫌いじゃない 嫌じゃない でもわからない 信じられない だってそうじゃない 見ちゃったの 言葉よりも文字を信じてる ダウト やっぱりお互い嘘つきだ 近くの公園 こんな冬じゃ 座って話もできないし 無理やり嘘にしないで答えてね あのねの続き 知らないフリをしていたら いまだに考えてる ライン インスタグラム ツイッター 口コミの情報 口上で伝える愛情 盤上の戦闘も上等 肩をさすってくれる君に触れることもできない ありがとう 嘘つき ごめんね おやすみ あれから何年 それが何回目かどうかなんてどうでもよかった 本当のことは全部見透かされてたんだ

単純すぎて馬鹿みたいだよ

探ったところで行きつく先は分かっていたけれど やめられないし止まらないね

「昨日のインスタの投稿 おまえそんなキャラじゃなかったじゃん」

昼は前々から読みたかった本を買って そしたらあいつに電話するんだ

「もうそんな関係じゃないの私達」口癖になってるよ

ちゃんと終わったら遊んでねってあれもこれも

ひとりひとり相手したい その気になるのは相手次第

ありがとうありがとう そのときまで忘れないでね

気づかないわけないじゃない 一番近くにいるんだもの

人と人との間 本心でいれたらどうだろう

いい人でいるつもりは いい人なんかじゃなかった

単純すぎて馬鹿みたいだろ?

夜のばか

その気になって なんて その気で来られたら面倒に思うのにその気がなくなったら寂しがるんです その気がある内はまだ居られるから その気はその内なくなるんだから その気は無いよりましだと思うんです 最初から自分のものでもないのに離れていったら悲しくなるなんて身勝手だ

まぼろし

寂しさや不安や心細さといったものが増えるのは日ごと増える知識や経験を基準に比べる対象が増え続けるから。けどひとつひとつ自分の膝元に置いて見比べるには耐えきれなくどうにかなってしまいそう。改札を入って正面の自動販売機上段右から2番目のレッドブルはいつも準備中。カボチャの馬車で迎えに来てね。今朝起きてまた夢かと疑ったけれど、何回も見ていた夢が昨日本当になった。種に水、与えなくてはね。花は咲かない。