けせらせら

なるようになる?

ゆうだち

ごめん遅れた と 俯きながら、続けて 友達と飲んでて と言う 彼の頬は赤くなっていた 私は そうだったんだ とだけ、それ以上は聞かない そのときの少しの沈黙に丁度いいタイミングで電車が来て 二人は空いていたシートに座り 私は昨日あった出来事を話した 彼が「友達」と言うときは決まってあの人だ 私の知らないあの人だ アナウンスが鳴ってハッと気づけばもう目的の駅で、扉が開いて電車から降りると さっきまで降っていた雨はすっかり止んでいた まだ残る雨の匂いと日に照らされて濡れたアスファルトが輝いていて ジメッとした生温い空気が首元を通り抜けた 夏になるんだなって思った