けせらせら

なるようになる?

ダンデライオン

この日は平日で、仕事終わりに席を用意していてくれた友達に迎えられると、明日は私の誕生日なのだと気づいた。学生の頃の話や次の連休の旅行の計画で盛り上がったのだけど、明日も早いから、と駅の改札まで見送られながら帰宅。こうして0時を過ぎて久しぶりに1人で迎えた誕生日は何故だか嫌に思えなかったし、むしろそれが私には心地よかった。彼女達がくれた小箱のショートケーキが帰りに買ったスーパードライのつまみにぴったりだった。私はもう自由なのだ。言ってしまえば私は彼の奴隷だったのだ。彼と別れたのはつい最近のはずなのにずいぶん遠い記憶になってしまっている。思い出せるとすれば、いつものように静かに苛立つ彼がもう嫌になって、顔も向けずに路肩のタンポポを見つめながら別れを切り出したときのことくらい。明かりを消した部屋で最後のロウソクの一本を吹き消したとき、心までも熱が冷める音がした。青春は静粛して成熟。少女から大人へ。火を灯したのも、吹き消したのも、他の誰でもなく自分がしたんだ。

花言葉は別離。ほんともう、笑っちゃうよね。